Summary
“インタラクティブ砂スクリーンシステム”
インタラクティブアートは情報技術、GUI、ハードウエアデザインに連結し、新しいメディアを作り出す可能性がある。また、芸術の方法論を取り入れることによりコンピュータサイエンスの分野で今までできなかった人間の情緒をインタラクションにより引き出し、結果的にコンピュータによって人間の情緒をセンシングし、感動をリアクションすることのできるシステムとして実現できる。
太陽と月の合体というテーマは、世界の諸民族の思想や神話にくり返し現れる。 それは、人がまったき存在になったときに生起する意識と無意識の力が統合された状態の表象である。コロナの光、ふだんは、太陽の輝きに隠されて見えない銀白色の穏やかな冷たい光は、通常の精神活動の奥に隠されている直観的な意識の見事な表象だ。
砂は、形がない。自由自在である。そして、私達が砂に触れる時に感じる幼い頃を思い出すような優しい解放感を持っている。水と同様に、ある種のヒ-リング効果があるのではないかと思う。私達が砂時計を見つめる時も、母なる大地に包まれているような安堵感がある。
私達の生活は、ますますコンピュ-タが入り込んで来て、テクノストレスは増すであろう。私は、我々の心を癒すこの砂を用いて、幻の心のスクリーンを描いてみようと考えた。
上記テーマを、音楽的インタラクションにより、世界初の砂でできた、おぼろげな美しいスクリーンで表現する。スクリーンに映し出された映像は、インタラクションした人の体温によって、バイオフィードバック効果のある映像が出現する。この装置は、人の感情によってインタラクションする構造を持つ新しい未来の映像装置とも言えるだろう。
1. | オルゴールオブジェについている青いLEDは五線譜である。観客は、マグネット状になっている赤いLEDの音符で、音符を自由に配置して作曲することができる。 | |
2. | 観客がオブジェの前で、クランクを回すようなジェスチャーをすると、オブジェが回転して、ライトセンサー箇所を通過すると音が生成され、バーチャルスクラッチを楽しむことができる。(その間、サーモグラフィーが、観客の体温を計測し、観客の状態(リラックス、興奮大、興奮小、不安)を検知する。) | |
3. | オブジェが半回転すると、砂で作られたスクリーンが出現し、2.で検知した観客の状態によって、バイオフィードバック映像を生成される。 |