開催日時 | 平成27年3月12日(木)~ 平成27年3月15日(日) 18:30~20:30(1回25分、休憩を挟んで3回上映) |
開催場所 | 京都国立博物館 |
住所 | 〒605-0931 京都府京都市東山区茶屋町527 |
アクセス | 市バス、博物館・三十三間堂前、京阪電車七条駅下車徒歩7分 |
メッセージ | 琳派とは、徒弟制度に基づいた流派ではなく、日常から生まれた大衆芸術をさしています。そこには時代を越えて、日本人誰もが持っている美意識が潜んでいます。金・銀を用いた豪華さ・豪放さを特徴とする琳派は、画家クリムトに代表されるようなヨーロッパの芸術家にも影響を与えました。日本人が持つ感性と共に、墨流しなどの技法そのものも彼等には新鮮な驚きであったのです。琳派は過去の遺産にとどめるのではなく、引き継ぎ未来につなげるべき文化です。京都を拠点に活動する私達は、日本的美意識の遺伝子を共通項としながら、生け花、狂言、映像芸術さらにはテクノロジーを結びつけ、伝統と革新をテーマに琳派の未来を垣間みる4日間限定の夜を作り上げました。皆さん、見た事のない琳派の夜に、乞うご期待!
|
====イベントに関する情報====
いよいよイベントが近づいてきました。以下の詳細情報にご注意の上、プロジェクションマッピングイベントをお楽しみ下さい。
【車での来場】
京都国立博物館は専用の駐車場はありません。また周辺の道路は駐車禁止です。当日の付近での大混雑が予想されるため、車での来場は固くお断りします。
【入口、開場時間】
入口は正門(大和大路通沿い)ですのでご注意下さい。入場開始は18時です。
【スケジュール】
イベントのスケジュールは以下の通りです(多少前後します)。
18:30-18:40 オープニング
18:40-19:05 第1回上映
19:20-19:45 第2回上映
20:00-20:25 第3回上映
3回上映される内容は同じです。その間、自由に入場・退場ができます。
【併設の催し物】
休憩時間を楽しんで頂くため以下のような催しを行います。
1.博物館内のレストラン、ショップはその間時間を延長して営業しております。
2.未生流家元笹岡の笹岡隆甫さんによるいけばな展を庭園周辺で開催します。
3.京都の若手職人による伝統工芸の展示販売会を行います。
4.本イベント向けの特製ラベルの日本酒・ビールを販売します。記念にご購入されてはいかがでしょうか。
【荒天などで中止の場合】
当日朝9時までに決定しwebで通知すると共に当日参加の方にはメールにて連絡します。
主催 | 琳派400年記念プロジェクションマッピング委員会 (代表)長尾 真 (京都大学元総長) |
音楽 | 近藤等則、アキーラサンライズ |
共催 | 京都府 京都国立博物館 |
後援 | 琳派400年 記念祭委員会 |
協力 | 建仁寺、未生流笹岡、京都大学 学術情報メディアセンター 京都大学 デザインスクール、学術研究支援室 ハイアットリージェンシー京都、日本香堂 DAN TAKEDA、からふね屋珈琲株式会社 株式会社 便利堂、株式会社 キュー CG-ARTS協会(公益財団法人 画像情報教育振興協会) 特定非営利活動法人 京都文化協会 |
問い合わせ先 | 琳派400年記念プロジェクションマッピング委員会 (京都大学 土佐研究室) E-mail: request-cc@media.kyoto-u.ac.jp TEL: 090-9099-1820(中津) 対応可能な時間:平日(月〜金)10:00am~19:00pm |
プロジェクション技術&制作 NTアソシエイツ,Hexogon Group
京都府『琳派』饗宴プロジェクションマッピング開催事業・第1号採択事業
風神雷神図屏風 画像提供:建仁寺
『関連イベントご案内』
第2回京都学のための科学ワークショップ「琳派とテクノロジー」
2015年3月8日(日)14:00~17:25
事業内容
1.趣旨とイベント概要
工芸•絵画といった生活文化を彩るモチーフを金色を主体とする鮮やかなデザインで表現した琳派は、日本美術史の中で重要な位置を占めている。2015年はその琳派の400年目にあたる。この重要な節目に文化や産業において新しいデザイン運動を推進していくために、種々の琳派400年記念イベントが2015年を通して京都で開催される。この琳派400周年イベント全体を盛り上げ京都の文化・歴史・アートを国内外にアピールするイベントとして、土佐尚子(メディアアーティスト、京都大学教授)が未来の琳派を表現するために制作したビデオアート「土佐琳派:メディアアート風神・雷神」をプロジェクションマッピングする企画を立てている。
本プロジェクションマッピングは京都国立博物館で行なう。京都を代表するミュージアムである京都国立博物館における、土佐尚子が琳派コンセプトに基づき制作したビデオアート作品のプロジェクションマッピングは、琳派400年記念イベントへのイントロダクションであり、京都の市民にとどまらず日本の内外から訪れる観光客に強く琳派400年を印象付けるイベントになることが期待される。
2.背景
琳派はよく知られているように桃山時代後期におこった日本絵画の一派であり、金・銀を豊富に使った豊かな装飾性や大胆なデフォルメによるデザイン性により広く知られている。日本が鎖国に入り細やかさや繊細さに傾斜する以前の豪華さ・大胆さ・開放性を有した作風であり、海外の人にも理解が容易な国際的なアピール性を持っており、ヨーロッパの印象派にも大きな影響を与えている。
また本阿弥光悦・俵屋宗達などの琳派の創始者の活躍した時代は、山田長政に代表される国際人が海外で活躍していた時代でもある。琳派400年記念行事として琳派の生み出したアートを現代的な形で展示する事は、京都を含め日本の人々に単に過去を振り返るのではなくて今後の日本の進むべき方向を示すイベントとしても重要である。またこのような国際性を持った琳派のアートコンテンツは、海外の人にも日本のアートが文化を越えて国際性を持ったものであることをアピールする良い機会でもある。
琳派400年を記念して琳派のオリジナルなアートの展示も多く行なわれるが、同時に琳派のアートを継承し未来に伝えるためには、琳派のコンセプトを生かした現代アートを制作・展示する事も重要である。メディアアーティストかつ京都大学教授として活躍している土佐尚子は、そのようなアートの制作に最も適したアーティストである。
3.内容
土佐尚子は、テクノロジーをアートに取り入れたメディアアーティストとして、これまで国内のみならず国際的にも活発に活動して来ており、最近では韓国の麗水万博での展示(2012年)、シンガポールのアートサイエンスミュージアムでのプロジェクションマッピング(2014年)等、大規模なイベントでアートコンテンツを展示するという試みにチャレンジしている。
特に最近は、日本の伝統アートと彼女のメディアアートをより深く融合させる事によって、海外の人々に日本の伝統文化と日本の現代文化を同時に理解してもらうことをめざしたアート制作を行なってきている。シンガポールでのプロジェクションマッピングでは、彼女は高速度カメラを用いて振動で飛び散る液体という自然現象の中に潜む美を取り出し、それを日本人が持つ季節に関する感性と組み合わせることによって「サウンドオブ生け花:四季」というビデオ作品を制作し、マリーナ・ベイ・サンズ地区にあるアートサイエンスミュージアムの外壁を使ってプロジェクションマッピングを行なった(図1)。
京都国立博物館におけるプロジェクションマッピングは、京都という日本を代表する文化都市のランドマークにおいて琳派400年記念イベントの一環として行なうことにより、琳派400年記念イベントの価値を増し、文化都市京都の名をさらに内外にアピールする事が期待される。コンテンツはシンガポールで展示したものを基本としつつ、琳派400年記念を意識して、より琳派コンセプトを生かした内容、特に琳派アートの代表である「風神・雷神」のイメージを彷彿とさせる内容に改良する。
実施効果
1.琳派400年記念行事の一環としての意義・効果
2015年は琳派400周年にあたり多くの記念イベントが実施される予定である。これらの多くのイベントを統合し琳派400周年を日本国内のみならず世界にアピールするためには象徴的な一つの大きなイベントを実施することが効果的である。京都を代表するミュージアムであり観光客を含め多くの人が訪れる京都国立博物館は京都の象徴でもあり、そこで大型イベントとして琳波のコンセプトに基づく現代アートのプロジェクションマッピングを行うことは、琳派400周年を内外にアピールする絶好のイベントとなる。そしてそれはメディアを通して報道されることによって京都を訪れる観光客を劇的に増加するのに貢献することが期待される。
2.琳派がもつ精神性の現代さらには未来への継承の意義
琳派は世界に誇ることができる京都発の伝統芸術である。しかし琳派芸術は桃山後期から江戸中期にかけて栄えた伝統芸術としての意味以上のものを持っている。
従来日本の伝統芸術の特色は「わび・さび」に代表されるような簡素性、幽玄性などに重点をおいたものであると理解され、そしてそれが日本人の感性を構成していると考えられて来た。しかしこれは日本人の感性の一面に過ぎず、豪華さ・豪放性・大胆さなども日本人が持つ感性の別の面である。
従来日本人は内省的で国際性などに乏しいと一般に理解されて来た。しかしこれも日本人の特質の一面に過ぎない。琳派が勃興した桃山後期から江戸初期にかけては、日本人が海外に雄飛し東南アジアの各所に日本人町をつくるなど日本人の国際性が発揮された時代でもある。
単に琳派をある時代特有の芸術としてみるのではなくて、日本人のこのような別の面での特質の現れと見れば、琳派の精神を現代に蘇らせてさらに未来に継承して行く動きが必要である。土佐のアートは琳波のコンセプトを保持しながらも技術を取り込むことによって琳派芸術を現代に蘇らせることに成功している。それを京都国立博物館でプロジェクションマッピングを行うことによって、京都が伝統芸術の町であるだけでなくそれを現代に蘇らせさらに未来をも切り開く町であることをアピールできる。