青空を模擬するライティング技術

 
Abstract

自然現象が織りなす壮大なアート、空。無限の奥行きと広がりを感じさせる空に人は魅了され癒される。そんなアーティスティックな空を光学テクノロジーで照明機器としてリアルに再現した。

地上で空が青く見えるのはレイリー散乱という物理現象による。そのレイリー散乱を発生させる青空パネルを独自の薄型構造で実現するとともに、太陽の陽射しが差し込む様子を表現したフレームをそれに巧みに組み合わせることで、奥行き感のある青空と自然光を再現した。また、昼間の青空だけでなく朝焼けや夕焼けなどの時の移ろいを感じさせる色変化を可能とした。

青空を模擬するライティング技術は、通常のLED照明では実現できなかった、自然かつ開放感あふれる室内空間を提供し、オフィスや公共施設などの快適性向上に貢献する。

桑田 宗晴

三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 オプトメカニズム技術部 投射技術グループマネージャー
 Short bio 

1972年京都生まれ

1994年東北大学理学部物理学第二学科卒

2010年東北大学大学院工学研究科電子工学専攻博士課程修了.博士(工学)

天体望遠鏡メーカー勤務を経て2002年三菱電機(株)入社

ディスプレイや照明機器、車載機器用光学技術の研究および,それらを活用した製品開発に従事

応用物理学会会員.応用物理学会微小光学研究会,日本光学会レーザーディスプレイ技術研究グループ,IDW PRJ workshopの委員メンバー

弁理士

技術士(応用理学部門 物理及び化学)

中小企業診断士